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2010年07月14日

◆政治・数字。

今回長いですよ。

最近、長い文章書いていますが、
今回は相当長いです。
私の尊敬と信頼する、私の大好きなH氏からのメールです。
ほぼ毎日送って下さるのですが、楽しみにしています。長いけど。(笑)
政治や数字に興味ある方はどうぞ☆
興味深く物事を観察しているので、面白いですョ。

◆政治・数字。


参議院選挙の結果がでて、マスコミでは「民主惨敗」とか

「自民勝利」とかでてます。

ここが理数系の悪いところですが、本当か?と疑問を持ちます。

データを見ましょう。(高校で文系と理数系にわけるのは今から

考えると意味ないですね。私は文系でしたが思考回路は理数系だと

思います。世界でこんな分け方をしているのは日本くらいでしょう)

(民主は惨敗か?)

選挙区での投票率は 民主は今回38.97% 前回選挙では40.45%。

それほど差があるわけではありません。ちなみに自民は

今回33.38%で、前回 31。35%。

明らかに、民主が上回っているのは前回とかわらないし、

比例区では全体で民主、31.56%で、自民24.07%で民主が大きく

上回っている。

では、選挙区選挙で、これほど、民主が負けた、特に一人区で

大きく負けたのは、個別に選挙区をみるとよくわかります。

実は、選挙区選挙で、一人区では、比例区の得票は民主党

が自民に勝っているところが多い。それなのに、自民が一人区で勝って

いるのは、自民党の得票に公明党の得票を足すと勝っているケース

が多い。(一人区では、公明は独自の候補をたてずに、自民を支援する

ケースが多い)

自公の連携がうまくいったことが大きいのと、自民党が一人区

に重点的に、戦力を投入した選挙戦術がある程度効果的だった。

ただし、民主党は比例区で、前回39.48%の支持が、今回は31.56%

と大きく落ちたので、惨敗というかどうかは別にして、支持が落ちた。

(自民党は復権した)

自民党の支持率は選挙区は今回、33.87%、前回 31.35%。

「一番」と指を立てている場合かなとも思いますが。

「みんなの党」は10.24%をとったので、ここに民主党への

批判がまわったと見るべきでしょう。

比例区の投票は自民1407万、民主1845万なので、まだ復権といえるか。

民主への批判の一部が流れたので、多くの批判票は「みんなの党」にいったと

みるべきでしょうか。

(比例区の矛盾)

あまり、マスコミは書きませんが、、比例区の当選者の得票をみると

この制度の矛盾がみえてきます。

「みんなの党」は3万7000票で当選している人がいるのに、国民新党では

全体で100万票をとり40万票をとっている人もいるのに当選者はいない。

これは比例区が政党の総投票で、当選数を確定して、当選者は投票数の

多い順に決めるという制度であるため。よって、「みんなの党」のように

総投票794万票のうち、個人名でなく政党名が723万票のような政党は

個人の得票がわずかな得票でも当選してしまう。(みんなの党は比例区7議席)

(選挙区の矛盾)

一票の格差はやはりあります。

大阪では62万票で落選でも、高知では14万票でも当選。


それにしても、選挙は、大変なものです。私の友人も数人でましたが。


今朝は、朝早く起きたので、今回の選挙を行動経済学でどう説明できるか

考えてみました。

難しい理論は後にくっつけたので、好きな人は読んでください。

1 人は、最近の「参照点」と比較して、選考する。

  人間は何かを選択する時に何かと比較して決めるというものです。

  それが「参照点」で、それと比較して、どちらがいいか決めるという理論

  です。

  昨年の衆議院選挙の「参照点」は「自民党」であり、それに対して

  「賛成」か「反対」かで選考されました。よって、NOの人は民主にいれた

  ということで、民主の圧勝でした。決して「民主党を選択」したとはいえない

  のです。このことを誤解した民主党が今回、「二人区で候補を二人立てる」

  という、戦略上の誤りをしました。これでは肝心の一人区に戦力をしぼれない。

  参照点がぼけているという認識なら、二人区は、引き分けとみきり、一人区

  で勝つ戦略をとるべきだったでしょう。

  今回の選挙では、「民主」が「参照点」となるはずが、自民党の記憶もあり、

  参照点が明確でない選挙でした。よって、どっちつかずの結果になりました。

  おそらく3年後の選挙では、「参照点」は民主党に明確にしぼられるので

  与党の苦戦が予想されます。(政策は批判されても、いい政策はマスコミ

  では取り上げられない。「マスコミによるバイアス」といわれます)

2 人の選択は、近い未来には高く評価しても、遠い未来には、低い評価しか

  しない。(時間バイアスといいます)。よって、消費税のような、将来の効果

  より、今負担が増えることのほうに考えがいく傾向にあるというものです。

  よって、今までの選挙で税負担が増える政策は必ず負けました。

  「現時点に近い事案を大事にする」


  という傾向のことであり、見えない先の利益よりも現在手に入れ

  られるものを優先したいという強い欲求が起こるというのである。

  似たような事例でいえば、未納問題が社会問題になっている国民年

  金なども同じ事が当てはまるかもしれない。

  20代の人にとって、年金は30年以上も先の話で、しかも本当にもらえ

  るという保証はないのだから、

  それに支払うくらいなら今必要なものに使いたいという思考に傾いてし

  まうのも無理もない話ということです。

 以下、少しマニアックな人向け 

(行動経済学による分析)

プロスペクト理論は、2つの関数から構成されます。

(1) 価値関数 (Value function)
(2) 確率加重関数 (Probability weighted function)


(1) 価値関数 (Value function)

価値関数は、図で書くと次のようなものになります。



この図の横軸は、ある基準点(横軸が0の点)からの富の増減

(利得あるいは損失)の度合いを示し、

縦軸は、その富の増減から得られるその人の主観的な価値

(経済理論の効用にあたる)を示しています。

この関数の特徴は、3つあります。

(a) 参照点依存性
(b) 損失回避性
(c) リスク態度の非対称性

なお、行動経済学の本なんかでは、これに加えて感応度逓減が入
ったりしますが、
これは、ミクロ経済学の限界効用と同じ(ような)ものであるため、こ
こでは価値関数の特徴からは外しています。
ちなみにこれは、
金額が大きくなるほど、1円の変化による主観的な価値の変化が小
さくなるということを意味します。

それでは、価値関数の特徴についてもう少し詳しく見ていきましょう。


(a) 参照点依存性

参照点依存性とは、富の絶対値ではなく富の増減によって、その価値
を判断するということを意味しています。

例えば、100万円の価値を考える時、標準的経済学では、100万円への
効用は一意に決まるのに対して、
プロスペクト理論では、1万円が100万円になったのか、1000万円が100
万円になったのかで、
その価値は異なるというのです。

1万円が100万円になるということは、99万円の増加であり、
1000万円が100万円になるということは、900万円の損失である。
100万円の価値は、この基準点(1万円や1000万円)からの変化によって決定されるはずだ。


というわけです。

この価値判断の基準となる、1万円や1000万円のことを参照点
(reference point)と言います。

(主観的な)価値が参照点に従って決まるという特徴を参照点依存性
と言います。

これは、図で言うと青い丸(○)の部分が参照点となります。


(b) 損失回避性

損失回避性とは、同じ額の利益と損失であれば、損失の方を過大
評価するということを意味します。

例えば、コインを投げて裏が出たら、1万円を失うというギャンブル
を考えましょう。

この時、あなたは、表が出た時、いくら貰えるならこのギャンブルに挑戦しますか?

この問題では、2万円程度と答える人が多いそうです。

つまり、
50%の確率で1万円を失うという価値は、
50%の確率で2万円を得るという価値と
等価であると考えているわけです。

言い換えると、
1万円を失う悲しさを埋めるためには、
2万円の収入が必要というわけです。

これは、図の緑色の矢印の長さの違いで表されています。

具体的に言うと、
ある利得 x から得られる価値を v(x) とすると、
|v(x)| < |v(-x)| が成立すると言えます。


(c) リスク態度の非対称性

リスク態度の非対称性とは、
利得が得られる時は、リスク回避的になるのに対して、
損失を被る時は、リスク追求的になるということを意味しています。

例えば、今持っている株が、
値上がりした時は、すぐに売ってしまいたくなる(リスクを手放した
くなる)のに、
値下がりした時は、いつか上がると思って保有し続けたくなる(リス
クを手放さず保有し続ける)、
というような状況を意味しています。

ちなみに、このように利益確定を素早く行い、損失確定を先送りに
する特徴をディスポジション効果と言います。

写真は無邪気に遊ぶ女子2人です。(笑)
たぶん、今日のこのBlogには興味ないだろうなぁ。(笑)




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タグ :政治数字

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Posted by ◆尾崎ゆり at 12:18│Comments(3)頭の中。
この記事へのコメント
成熟した形と科学で詳細に予測するといった今回の価値あるテーマ。大変興味深く触れさせて頂きました。しかし、このような経済的現実と政治的現実に直面した時には気おくれしてしまう私です。頭を砂の中に突っ込んで隠れたダチョウそのものでしょうか。(笑)人間が富や名誉の社会的立証を求める争いや奪い合いの構造でできているとしたら、どこまでも完全にはなりえないですね。
Posted by 放蕩する者 at 2010年07月14日 15:32
放蕩する者さん

私も気後れします。。ハハハ。
なので、こういった切り口を見せられるのはとっても新鮮に感じます。自分の好きなものばかり目にしている日々なので、違う側面からみられて勉強になります。
そして、所詮は人間のエゴから成り立つ仕組みの中の事なので、おっしゃる通り、争いや奪い合いの組織構造には、実際は興味ないです。(笑)
Posted by ◆オザキユリ◆オザキユリ at 2010年07月14日 17:48
こんにちは
おじゃまします。

最後のリスク態度の非対称性の理論は
まさにそうですね。
儲かればすぐに売りたくなる心理。我慢して売らずに持っておればもっと儲かることもあるけど、そこで売るか、保持するか人間は葛藤します。
現在持っている株が10分の1になって、いつかきっと上がると期待して持っておりま~す。
まさに、「塩付け状態」(笑)

久々に経済学の本を読んだような気がしました。
Posted by さんし at 2010年07月15日 14:18
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